【続編】長男のカゴ
こうしてあたしはナゼかS科寮に移ることになった。



荷物の整理に追われること1日。



山田さんの部屋の隣があたしの部屋。



「岩崎さん、お引っ越し?」

「佐野さん!!」

「ふふふっ、なんだかカワイイ顔になってるね」

「カワイイ…」

「目がお化けみたい。わからないことがあったら何でも聞いて?庶民には優しくしなさいってお父様から言われてるの」



佐野さん毒舌っ!!



まさかこんな人だとは…。



まぁ、山田さんもかなりの人物だとは思うけど…。



お嬢様恐ろしい…。



「それ、なぁに?」

「スエット…だけど?」

「毛玉だらけ。あり得ないよ」

「ご、ごめんなさい…」



あたし、やって行けるかな…。



でも少しクラスメイトと関われたのは嬉しい。



山田さんから勇気もらった気もするし。



『好きになったなら諦めないでいい』って言われてるみたいで嬉しかった…。



心が軽くなったのも山田さんのおかげかな?



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