野に咲く一輪の花の如く

本当に良かった。

生きて会えて……。



今までは、こうやって進の温もりを感じる事が、当たり前だと思っていた。



でも。



そんな『当たり前』が、本当はとてもかけがえのない幸せなんだと、今回初めて気付かされた。



気持ちが落ち着いてくると、急に進の顔が見たくなった。

抱き締められていた私は、進の胸を軽く押して体を離し、下から進の顔を見上げた。



進だ。

ちょっと痩せた?

そうだよね、熱を出して寝込んでいたり、震災の影響で食べる物もなかなか手に入らなかったんだもんね。

いつもはちゃんと綺麗に剃っているのに、珍しく無精髭があった。


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