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第一章 アソビ


“ねぇ、誰を始末したいの?”
棚の上に座らせた人形が私に話しかけてくる。
『んー・・・そんなこと言われてもなぁ。』
私は部屋着に着替えながら答えていた。
“誰でもいいんだよ?”
人形は真っ直ぐ私を見つめる。
クラスのなかや、学校には
憎くて始末してしまいたい人間がいない・・・
と言ったらウソになる。
でも本当にそんな事が出来るのだろうか?
“悩んでいるの?”
人形が不気味な笑みを浮かべる。
『いや・・・そんなこと無い、よ?』
人形が怖いわけじゃない。
でも、何かが私に恐怖を感じさせている・・・
“大丈夫だよ。始末するのは私。
 人形の私が、近くに落ちていたとして誰が私を疑うの?”
人形はそう言うとクスクスと目を細めて笑っていた。
そう、この子は人形。
何も恐れることなんてない。
そう思えば私の心は軽くなった。
罪悪感なんて無い、もしも本当に始末されたとしても
私は悪くないのだから・・・
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