かぜいちご
タイトル未編集

雨音

黒しかないその場所で、白いユリだけが浮いている。
鼻を啜る音。
少しの嗚咽。
でもそれは、全て他人が発したオト。
私からは、規則正しい音しか発されない。
だってみんなおかしいよ。
なんで泣く必要があるの?
泣くことなんて何もないじゃん。

どうして・・・
どうして、信じないの?
どうしてまだ・・・

「さぁ、セイもユウくんにお花渡しなさい?」
私はゆっくりと黒く輝くまだ新しい石の前に大きな白いユリの花を置いた。
「じゃぁね。・・・ユウ。」
一層周りの音が大きくなった。
< 1 / 7 >

この作品をシェア

pagetop