今度はあなたからプロポーズして









わしは春江の思いもよらぬ言葉に
度肝を抜かれて言葉を失った。









「私と結婚してください…」









そう言うと、
春江はスッと手を差しのべる。







春江の目に迷いはなかった。







わしは呆然としていたが、
我に返ると、黙って頷いた。








差しのべてくれた手を握ると、


春江はそっと
わしの胸に飛び込んだ。












< 96 / 202 >

この作品をシェア

pagetop