社長の溺愛



SPは眉間にシワを寄せてしばらく黙ったあと


「わかりました、どうぞお入り下さい」


と道をあけた



……上手く騙せたか?


少しの間の後に俺たちは再び足を動かし始めた



遼は扉に手をかけるとゆっくりと動かした


物音をなるべく立てないようにしてるのだろう



パタン…


静かになった扉の音を背中に部屋のなかに足を踏み入れた



「社長は探しに行ってください、俺は藍崎さんに連絡してます」



「わかった」



すぐに携帯をいじり始めた遼を見た後に奥へと足早に進んでいった



その時だった





「いや…や…」



小さく掠れた声が聞こえた




< 116 / 413 >

この作品をシェア

pagetop