社長の溺愛



コツコツ……



まだあまり人のいない空港に俺たちの足音は妙に目立って聞こえる



それはかなりの早歩きだからだろう



コツコツコツコツ……




ロビーの入り口につくと先ほどよりも多くの人が見えた



それでも歩みを進める




その時だった




可憐で、澄んで、それなのに少し興奮したような声




「…慎…っ…」




なん…で




「翼……?」




ピタリと足が止まった





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