社長の溺愛



彩加が出ていったことを確認すると、一変して爽やかな笑みを見せる


「慎さ、疲れてるだろ?優しい俺がお前にプレゼントを持ってきてやったのさ!!!」



どうだ!と言わんばかりに両手を広げる幸弘は誰が見ても『馬鹿』だと思う



俺は少々、鬱陶しそうに眉をひそめた


「プレゼント、欲しい?欲しい?」



「いらない、俺は忙しくてな。お前に構ってる暇などない」



そう言い返すとなんとも不敵な笑顔を見せる幸弘


さっきから百面相かっ!!!



「ふぅ~ん…いらないなら俺がもらうから」


「好きにしろ」



そう言えば、幸弘は「わかった」と明るく返事をして踵を返す


結局、幸弘が欲しかったんだろう



ガチャ…


扉の開閉の音がする…と、あとから話し声が聞こえる


話すなら出てからしろよ幸弘…


「今ね、忙しいみたい」



「……………ぅん」



……………。



え…………まさかな…まさかまさか…




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