社長の溺愛
普段、絶対にそんなことはしない翼
何事かと視線を向ける
驚いたような表情で俺に助けを求める彩加と
彩加を拒むように眉間に皺をつくり、見たこともない厳しい表情の翼
「どうしたんだいきなり…翼?」
「嫌」
「何がだ?」
「…」
ぐっと唇を噛み締めた翼は言いたくないのか下を向く
「彩加、何があったんだよ」
これ以上翼に問いかけたところで話は進まない
すると彩加は困ったように微笑んだ
「なんか…あたしが嫌いみたい」
「は?」
翼がそんなことでわざわざ騒ぐわけないだろう
「翼、本当なのか?」
どうせ首をふると思いつつ問いかければ
沈黙………
肯定ということだろうか…