社長の溺愛



普段、絶対にそんなことはしない翼


何事かと視線を向ける


驚いたような表情で俺に助けを求める彩加と


彩加を拒むように眉間に皺をつくり、見たこともない厳しい表情の翼


「どうしたんだいきなり…翼?」


「嫌」


「何がだ?」


「…」


ぐっと唇を噛み締めた翼は言いたくないのか下を向く


「彩加、何があったんだよ」


これ以上翼に問いかけたところで話は進まない


すると彩加は困ったように微笑んだ


「なんか…あたしが嫌いみたい」


「は?」


翼がそんなことでわざわざ騒ぐわけないだろう


「翼、本当なのか?」


どうせ首をふると思いつつ問いかければ



沈黙………



肯定ということだろうか…



< 340 / 413 >

この作品をシェア

pagetop