社長の溺愛



――――――――……

―――…


「これ、翼ちゃんの」


ぽす…と白いそれが枕元に簡易な音をたて置かれる


じっと見つめてみたところで何かがかわるわけでもないのに、なぜだか触れることを悩ませた


だがしかし、触ってしまえば呆気なく冷たいものが伝わってくる機械


それでもまだ異様な緊張感を抱いている俺はそれをゆっくりと開いた


そして、何度目となるのか後悔をする羽目になったのだ



「なんで…なんでだよ…っ」



なんで…っ…!


開いて直ぐに明るくなった画面に映った待受画像


それはいつかの俺の写真だった

それも、キッチンで料理をしている俺だった


カシャッ…


『んー?どうした翼、なんか音したんだけど』


『……っと、なんでもないよ』

『本当か?今、手離せないから聞けないぞ』


『大丈夫……手伝う、慎の』


『助かるよ、じゃあ皿出してくれ』


『うん!』


そんな休日の一枚だった



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