部活~ウチらバスケ部~高校編      ファイナル

練習の帰り道、友理は、佐紀に文句を言った


  「サキぃ、ヒドいわぁ。
   先に、練習、始めるんやもん」


  「じゃあ、もっと、
   早く帰ってきたら?」


  「サキ、ちょい、冷たいわぁ。
   ウチら、仲間やん」


  「仲間だから、言ってるんでしょ。

   やっぱり、体力は、大事だと思う。
   いくら技術があっても、
   それを使える体が無けりゃ、
   ダメでしょ?

   だから冬までは、走るよ」


  「えー、冬まで、走んのぉ?」


すると、梨沙が、


  「ユリ、何か、技、あったっけ」


  「まぐれの、シュート・ブロック」


  「あー、そうそう、まぐれの」


  「えー、そこまで“まぐれ、まぐれ”
   言わんでも、ええんちゃう?
   まっ、そやけど」


歩美も、

  「ユリを待ってたら、
   日が暮れちゃうじゃん」


  「ああ、夜が明けるかも」


  「ウチ、そんな、遅うないわ」


佐紀は、さらに、

  「ユリは、もっと体力、付けなきゃ。
   いくらデカ……あっ、ゴメン。
   大っきくても、走れない、
   跳べないじゃ、ダメでしょ?

   40分、フルに走って、跳べなきゃ」


友理は、隣でうなずいている梨沙に、


  「うーん、当たってるだけに、
   何も、言われへんわ」


と、つぶやいた。

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