僕等は野良猫




柏が雫さんを


なだめているとき


僕等の耳に


無数のエンジン音が聞こえた




「…浬音‥」


「来た…」



庵が僕を


抱きしめる



「いらっしゃったでぇ」



柏が楽しそうに


そう言うと


入り口付近にいた人が


シャッターを開けた




暫くすると


沢山のバイクが


入り口前で止まった



「手ぇ出したら、アカンでぇ」



柏はそう言うと


ジーッと


バイクの集団をみた



全員がバイクから降り


倉庫の中に入って来た



「…ここが翆羽の家……で、間違いありませんか」



1人の男がそう言った



「そうやで」



柏はニコッと


笑顔を向ける



「…お初にお目にかかります。我等は黒猫と申します」



総長らしき人が


ゆっくりと


頭を下げた




これが…


今の黒猫‥







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