キミ色
「…これ、開けてって言ってるけど…?」



咄嗟に出てきた言葉だった。
別に聞かなければならないほどの事でもないのに、勝手に口が喋っていた。



「あぁ…、開けてあげて!!」


「…うん」



予想以上に硬かった袋を引きちぎると、すぐさま聡クンが何本か掴んで振り回し始めた。



「やった!やった!!」



花火を手に取るだけで、本当に無邪気な顔を覗かせる聡クン。
そんな聡クンを見つめる蓮の目。
2人の何ともいえない和やかな空気が流れている。



「ほら、聡!1本ずつやんなきゃ駄目だって!!」


「えぇー!!」


「駄目!!1本にしないと火つけないよ!?早く、戻しなさい。」


「…はぁーい……」



しぶしぶ聡クンはそう言うと、残りの花火を俺に渡してきた。
その花火を袋の中に戻そうとすると、蓮が言葉を発した。



「櫂も!それ火つけるからさ!!一緒にやってって」


< 67 / 323 >

この作品をシェア

pagetop