すべては数直線の上に+詩集
僕の背後には幾つかの高層マンションが建ち並んでいる。十階建てくらいのやつが、何棟か並んでいる。
その幾つかの部屋には、こんな時間にも関わらず明かりがついている。
まだ起きている人だっているんだ。
そりゃそうか、実にたくさんの人がいるんだから。深夜に起きている人だって多くいるんだろうな。

なぜだろう…?
幾つかの部屋に灯る明かりを見て、僕はなんとなく嬉しく感じる。

きっとこういうことだ。

『僕はいつだって独りではない。』

僕はまたあなたの部屋の磨りガラスを見る。
たったガラス一枚…。
この一枚のガラスさえ取り払うことができれば、僕は今すぐにあなたの部屋に入り、そしてあなたを抱きしめることができるのに…。

そうできないのがとても悔しく感じるけど、それでも今この向こう側にあなたがいるんだと思うと、僕の体は温まっていく。
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