運命に導かれて


「ま、まぁな。隣国のことだからな。」


調べているなどと言えるはずもなく、慌てるカイン。


「俺は自国のスケジュールで頭がいっぱいで隣国のしかも王子の動きまでいちいち覚えたりしないが?」



若干怪しげな空気が漂い始めた2人の間。



「でもよかったです。今日はルカがいるからお話も弾むでしょ?」



この場の空気を読めなかった羽衣の一言により、辛うじて流れていた空気が凍りついた。



「今日は?」



「ええ。いつもは……



「あ、あぁ。悪い。急用だ。」


羽衣の言葉に被せてカインはまくしたてると踵を返した。




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