運命に導かれて


「そんなことない。そんなふうに言わないでっ。あたしはそんなに出来た人間じゃないよ…。ルカがいないと寂しいし、不安だしダメダメだもん。ルカはいつも優しいよ。今だってあたしのこと心配してるから言ってくれたんだもの。」



「羽衣………。」



「ねぇ。もうギュッてしてもいいかな?」



羽衣が伺うように聞けば、グッと伸ばされたルカの腕にあっという間に閉じ込められてしまった。



「ありがとう。ルカ大好き。ずっとルカだけが大好きだよ。」



「俺も羽衣だけだ。」



そうしてゆっくりと身体を離し優しく触れるだけの口づけを送れば途端に真っ赤になる羽衣。


さっきまで顔色ひとつ変えずに大胆なセリフを並べていた同一人物とは思えない。



そんな表情や仕草のひとつひとつが、ルカの心を何度も奪い離れられなくさせているということを羽衣は全く自覚していなかった。






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