運命に導かれて


そのまま抱き上げれば見た目以上の軽さに驚く。



メイドや使用人達の話でほとんど何も口にしていないとは何となく聞いてはいたが


これ程までに軽いとは…。


そっとベッドに横たえると


縋り着くようにルカの腕に手を伸ばす羽衣。



呼んでも反応を見せないから無意識らしい。


ルカの腕を抱き締めるとスースと寝息が聞こえてきた。



「……っつ……。寝てる………。」


柔らかな息遣いにひとまず安堵し


何とも中途半端な体勢を直そうと腕を離そうとしたが


無意識に腕に力がこめられてしまった。







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