運命に導かれて


言葉こそ丁寧だが凡そ王子に対する態度ではなく



羽衣を思うがあまりに口調は怒りを隠せなかった。



その有無をも言わせぬただならぬ雰囲気に


ルカは肩を落として自室へと戻っていく。



「寝顔だけでも見たかったな。」


ルカの呟きは広い廊下に消えていく。



羽衣は体調が悪いわけではなさそうだということはわかって少しホッとはしたが


アリーの怒りを買うようなことをしでかした覚えはない。



自室へ戻ってからもルカは首を捻るばかりだった。





< 62 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop