運命に導かれて


「本当かと聞いている。答えろっっ。」


談話室は一気に凍り付く。


傍に控えるジャンすら息をするのも躊躇われる程に。


「あ……私はルカ様の為に……。」


「ぁあ?俺の為だと?ふざけるなっ。俺の為だと思うなら今すぐに俺の前から消え失せろ。そして二度と姿を現すな。」



「ルカ様…そんなっ。私はルカ様をお慕いしているだけなのに…。」


「俺を?違うだろ?俺の地位か金だろ?何も知らないくせによくそんなことが言えたな。俺をこれ以上怒らせたくなければ早く出ていけ。ジャン!!」


「はい。」


ジャンが扉を開けるより早く真っ先に逃げるように城を後にしたアーロン。


父親の後を必死で追いかけるジェシカ。



先程の出来事が嘘のように静まりかえる談話室。





< 87 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop