シャイニング・ライト

第一章 辛酸の日々

朝の日差しが、目にまぶしく感じる季節になってきた。通学途中の伊藤晃は、まぶしい

陽光を遮る様に手をかがげていた。

　昼を過ぎる頃には、アスファルトをジリジリと熱く焦がすのだろう。このうざったい

陽光に、晃は目を細めた。

　気分は、最悪だった。夏の日差しが暑いからじゃない。今日が眩しいからじゃない。

－嫌なだけだ、ただ嫌なだけ。

　学校が・・・学校にいる人間全てが・・・教師も、クラスメイトも・・・。

　そんな風にして、暗い考えをしているうちに学校についてしまった。いつも、この学

校の校舎が目に入った瞬間、胸が苦しくなってため息をついてしまう・・・。

　－学校に着いて、誰とも会話を挟まないまま、けむたい授業を4時間過ごし昼休みにな

った。

　今日は、唐突に始まった。

　「・・・・・・！？」晃の視界がいきなりぐらついた。その瞬間、ガタン！という衝

撃と共に尻餅をついた。椅子を蹴飛ばされたのだ。
　　
　晃の背後から、腹の底から笑う声が聞こえた。「くく・・・あははははは」このクラ

スの不良達である。その光景を見て、他の生徒達もニヤニヤといやらしい笑みを浮かべ

ては、好奇心の目で見つめている。

　四人の不良グループに囲まれた晃は、震えが起きそうな身体を抑えていた。
　
　不良グループの中のNO.2の中里龍一が、晃に歩み寄ってきて、脇腹を蹴り付ける。不

良頭の永坂修一は中里達の事など気にもかけずに遠くでぼんやりと眺めているだけであ

る。