Brother Short Story's
兄と弟
ある休日の午後
「なぁ兄貴、どっかに良い女落ちてねぇかな」
弟ライの言葉に、兄リキは目を見開いた。
ライは、小学6年にして、もう何人も彼女がいたと言うツワモノである。
リキは、そんなライに苦笑いをもらし、
「そんなに都合よくはいかないよ」
とライの質問に答えた。
「ライはどんな女の子が好みなの」
弟とは全く違う柔らかい物腰で、一途なタイプのリキは、1人の彼女ともう1年付き合っていて。
「あぁー、そうだなー、小学生はダメだな。ガキ臭ぇ。あいつとしゃべんなとか一緒に帰らなきゃダメとか。文句多すぎ」
いかにもうんざりだ、と言う表情のライに、リキはぽんぽんと頭を撫でる。
「まぁまぁ、そういいなさんな」
そういわれて、ライはリキの顔を見る。
「女の子はいつでも自分を一番にしてもらいたいんだよ。
いかに女の子のして欲しい事をさりげなくしてあげられるか、だよ。
でも、な、それは、好きな女の子だけにしとかないと、後々すごくややこしい事になる。
誰にでも優しくする事がいいってことじゃない」
そこまで言ってからリキはライをちら、と見て、
「言いたいこと、わかる?」
そう問いかけた。
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