純恋〜スミレ〜【完】
「大丈夫だ」


「……うっ……ん」


「今みたいに、意地もプライドも全部投げ捨ててちゃんと話せば、きっと分かってくれる」


「ッ……うぅ……」



声にならずに必死に首を縦に振る。


化粧が落ちちゃうかもとか、鼻水垂れてるかもとか、


そんなの考える余裕もないくらい泣いた。


泣いて、泣いて、泣いて。


もう涙が空っぽになっちゃったんじゃないかってくらい泣き続けるあたしを、優輝はずっと励まし続けてくれた。


背中に感じた温かくて大きな手の平。


あの優しい感触にあたしは救われた。




暗闇の中にポツンと浮かぶ満月。


満月だけが、温かくあたし達を見守ってくれているような気がした。

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