純恋〜スミレ〜【完】
「優輝……優輝……」
駆け寄りたいのに、足がひどく重たい。
あたしはどんな顔をして、優輝に会えばいいんだろう。
全てを知ってしまった今、あたしは何を話せばいいんだろう。
一歩一歩、優輝との距離が近付いて行く。
その度に心臓がバクバクと激しい音を立てる。
「……――来んの遅ぇんだよ。寒くて死にそう」
ようやく優輝の目の前までやってきたあたし。
優輝はわずかに顔を上げてあたしの存在を確認すると、ホッとした表情を浮かべて力なく笑った。