純恋〜スミレ〜【完】

勇気

―――………

また、あの夢を見た。


雪の舞う寒い冬の日。


「……――優輝、ありがとう!!大切にするから」


シルバーの小さなダイヤが埋め込まれているシンプルな指輪。


鼻声でお礼を言うあたしの体を優輝は優しく抱きしめる。


今日がいつかは分からない。


だけど、辺りはライトアップされたイルミネーションでキラキラと輝いている。


今日は12月25日、クリスマスだ。


サンタの格好をしたおじさんが、『メリークリスマス』と子供たちに声を掛けながら色とりどりの風船を渡している。


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