不良のあなたとあたしの物語(完)

早苗の気持ち

あたしが家から出ると、誰かがうつむいて座っていた。


よく見るとさっき怒鳴っていた早苗ちゃんだった。

早苗ちゃんはあたしに気が付くと一瞬にらんだけど悲しい顔をしてまたうつむいた。


「ねえ。家に戻ったら?」

「あんたに何が分かるのよ。わたしみたいな兄弟愛に引いてるんでしょ。」


そう言って早苗ちゃんは立ち上がりわたしの前に立った。


「わたしは圭也が好きなの。昔から…。圭也が女作ったって聞いたときはまた別れるだろうと思ってた。でもあんたの場合は違う。友里って言ったっけ。あんたが羨ましい。でも圭也とわたしは結ばれない。分かってる…分かって…。」

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