わたしがお母さんになった日 ~16歳の妊娠~
一学期が終わり、夏休みになった頃のことだった。



わたしはスケッチをしに、近くの公園に出かけた。


木陰に置かれたベンチに座り、膝の上にスケッチブックを乗せる。


わたしは熱心にスケッチを始めた。



わたしは没頭してしまうと、完全に自分の世界に入り込んでしまう。


だからすぐそばに、誰かが立っていることさえ気づかずに、スケッチをつづけていた。






「望月さん・・・?」


ふいに声をかけられ、わたしは現実の世界に引き戻された。



顔を上げると、すぐそばに晃司くんが立っていた。



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