失われた物語 −時の扉− 《後編》【小説】




「俺が見えるか…焦点あってねぇぞ

もう…たまらないだろ?」

「うん…はや…く」

「…くわえろよ」


ようやく…始まる

もうこれなしで生きていけない

こんな

こんな拷問みたいな毎日


「…」

「良い…お前の…いいな」

「ん…」

「しろよ…もっと…ほら…あああ

いい…いい」

こいつももうクスリが効いてる

だんだんロレツが回らなくなって

もうすぐお互い

痛みも感じにくくなって

「ああ…出る…」

口いっぱいに…

「飲めよ…欲しいんだろ?」

自分が出そうになる

「俺のもんになれよ…もっと調教し

てやるよ…もっと良いクスリでさ」

「う…」

「ペットになれよ…あ…いいっ」

また固くなる

「こっちが我慢できねーよ…してや

るよ…お前の好きなの…」

解放された口にキス

「ん…あ」

「お前がこんなになるなんてな…」




こんなになるなんて…

もう…耐えられなかったから

「ほら…早く」

押し倒されて身体を裏返される

なんでまだ

生きてなくちゃならないの?

「早く四つん這いになれよ」



駄目なんだ

まだ

まだ生きてなければ

兄が戻ってくるまで…

せめて兄の消息がわかるまで



でも

もう苦し過ぎて


どうしたら良いのか

僕にはもう









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