名も無き恋【短編】
花びらを傷付けないように、

そぉっとそぉっと摘みました。


あんまり長くうろうろしていると花が傷ついてしまうかもしれない。


そう考えていそいそと公園に戻り、

今日も彼がやってくることを祈りました。



「ひなたぼっこ?一緒していいか?」



来てくれた!



ベンチに座って

ひたすら祈っていたら

神様か誰かにきちんと届いた、

そのことにまず喜びを覚えました。


彼はいつもと違う服装で、
片手にカレーパンを持って現れました。


私の隣に腰掛けると、

少しうつむき加減で

いつもより

小さな声で言いました。
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