手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
【M】私を包んだ残り香



制服も馴染んで来たけど、今日から夏休み。

ゆっくりと、いつもより1時間は長く寝た。

でも、いい加減、起きないとママに怒られると、起きる。

私、大沢萌、16歳。

怒ると怖い母・遥ーハルカーと、優しい父・豊ーユタカーに育てられた。

電気を点けなくても、太陽の日射しに照らされた明るい階段を降りると、ママが玄関から入って来た。



「おはよう。やっと起きたの?」



「うん…どこに行ってたの?」



ママは手ぶらで、遠くに行ったとか、買い物でないとはわかる。



「隣だけど?海とコーヒー飲んでたのよ」



「そうなんだ」



隣はママの高校から親友、高梨海ーウミーさん家。

息子の海都が、私の幼なじみ。
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