手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
目を背いたり、反対だって出来ただろうに。



「知らないだろ。空さんが、海都が産まれた時に泣いた事(笑)」



「おま…何を言ってんだよ;;」



俺らが見てる姿からは想像も付かないほど、表情が崩れてる。

「変わらないな」と、お袋の頭を撫でてた陸さんも、親父に大爆笑した。



「幸せの邪魔は、息子でも許されないからな」



洋介さんに頭を叩かれ、「はい…」としか言えない。

親父を見ると、俺を見て来た。



「後は、お前の気持ちだけ。
大切な者、離してんじゃねぇよ、バーカ」



親父はそれだけを言うと、みんなを連れて出て行く。

俺は8人の背中を見ながら、地面に座り込んだ。



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