夏の夜空に星が煌めく【続編更新停滞中】
「―――あたしはね、ずっと湊斗のことが好きだったの」
「…え」
「安心して?今はもう吹っ切れているから」
「…」
「…実を言うとね、チャンスだと思った」
「…」
「―――4年前、湊斗がアメリカに行く時、あたし、お父さんと見送りに来ていたの。
そこで、
『片倉さんはどうしたの?言ったの?』ってきいたの。
そしたら、『……何も言わずに来た』って。
どうしてかわからなかった。
あたしが逆の立場なら、嫌だったから。
大好きな人に、愛しい人に。
何も言わずに、どこかに行かれるのなんて。
『何で』って聞いたの。
そしたらね?
『好きだからこそ、言えなかった。……俺は病気を持ってるんだ、なんて。
離れていくにきまってる。
だから、日本では俺は死んだことにしてくれないか?』
って言ったの。
死んだことにしてくれって、普通なら言えないでしょ?
そしたら、
『……陽愛に“待っていてくれ”だなんて言えない。
俺のせいで、アイツの人生を無駄にしてほしくない。
だけど……、少しでもアイツの記憶の中に残っていたい。
……だから、そうしてくれ。頼むよ…』ってね。
あなたは、愛されていたのよ。
ずっと、ずっと」
「……湊斗は、ずっとあなたのことを見ていたよ――――」