マイルド・ガールとワイルド・ボーイ
「ハ、ハイ!!」


急に留雨に呼ばれ、私は過剰反応してしまう。


「――――さっき幹居との会話少し聞いちまったんだけど………オレはお前が幹居の傍で笑えるなら、コレ以上嬉しい事は無いから」


留雨の笑顔は…私がよく知ってる、あの笑顔だった。


「オレも琴音もいる事だし…………大丈夫。紀香、いつも笑ってろよ」


留雨―――……


涙が出そうになったのを、必死で耐えた。


「あ、後幹居……」


「え?」


私は留雨が何か連右とコソコソ話してる隙に、琴音にお礼を伝える。


「琴音……ありがとう………」
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