Platinum Kingdom【完全完結】
「読み取ってんじゃなくて更紗が言ってんだよ。
自分で」
「そんな…」
そんなバカな、と言おうとしたけど、
それも何だか私自身が胸を張って『してない』とは言えなくて、
「…」
黙ることを決めた。
私にだって黙秘権あるからね。
「で?」
「え?」
「何でドキドキしたの?」
「何で…って」
ドキドキするのに理由なんて―――あるか。
具体的に言えだなんて。
店の端っこで言い合っている私達。
さぞかしお店の店員さんは気になっているだろう。
だけど実際は、
「あの彼氏さん、熱心に彼女さんの服を選んであげてるのね」
「いいなぁ、アンナ彼氏ほしいーっ!」
だったとは私は知らない。