Platinum Kingdom【完全完結】



私はそのプレッシャーも何もなく生きてきた。


…本当に私は、


「私はまだまだですね…」



未熟すぎて、悲しくなる。

―――どうしてこんな難しい世界に生まれてきたのだろうと、いつも思ってた。

お見合いだ、政略結婚だと沢山ある中で、
私達は生きていかなければならない。


大人になってもそう。

何千人という社員達を、養わなければならない。

会社を成り立たせなければならない。


よく世間では、

『お嬢様とか、もうお金持ちでいいよねぇ』

『あたしもどこかのいい家柄の令嬢になりたかった』

と言う人がいるけれど、
私は逆に『普通』が羨ましくて仕方がない。

当たり前のことが当たり前に出来ない。
そんなの、本音では嫌だもの。

だけど、これが私に与えられた運命だから。

乗り越えていくしかないんだ。



「もっと自分に自信を持て。
…君にしか出来ないことがあるから」



先生は私にそう言ってくれた。


―――私にしかできないこと…。

それは、今は私にはわからない。


けど、
いつか見つけられるかな?

私だけにしかできないことが。



< 90 / 415 >

この作品をシェア

pagetop