君ニ恋シテル
背伸びをして遠くを見ると、テントが見えた。

あの中に、二人はいる。

ファンの子の列は果てしなくて、まだまだ私たちの番は先だ。


そういえば…
私は周りをきょろきょろと見回す。

「優奈、何してるの?」

「ん?んー、あの子いないかなぁって思って」

「あの子?」

「ほら、前のイベの時に話した転んだ子」

「あぁ」

亜紀ちゃんは興味なさげに返事をした。

前はあんなにウケて話を聞いてたのに。

今は逞くんで頭がいっぱいで、他のことにはまったく興味がないみたい。


しばらく辺りを見渡してみたけど、その子らしき姿は見つからなかった。

いたとしても…これだけの大人数、会うわけないか。

なんでこんなに気になるんだろう?

不思議。

あんなに印象的な子は中々いない。
だから、気になるのかな。


そういえば私、あの子にも睨まれたんだっけ。

ふとその時の情景がよみがえる。

…なんだかわからないけど、笑みがこぼれた。

懐かしいな。
あの日の感動も、まだはっきりと覚えてる。
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