君ニ恋シテル
きゃあきゃあなっていた私の隣に誰かが座った。

思わず視線を向ける。



え……。



「優奈?」

固まった状態の私を亜紀ちゃんは不思議そうに見つめる。


私は隣の子から目が離せない。

すると、隣の子とばっちり目が合った。


ヤバイ!

自分でも何がヤバイのかわからないけど、私は咄嗟に目をそらした。


「ちょっと優奈ー?
どうしたの?」

私は亜紀ちゃんにそっと耳打ちをした。


「えっ!?」

亜紀ちゃんは前のめりになり、私の隣に座る子をガン見する。


亜紀ちゃん…!
そんなじろじろ見ちゃダメだよ!

と、心の中で叫んでみたものの、亜紀ちゃんに届くはずもなく…。


亜紀ちゃんの視線を感じたその子も、亜紀ちゃんをガン見。

うわっ…なんだろう、この空気は。

二人の間に挟まれる状態になった私。

い、息苦しいー…。


数秒後、先に視線をそらしたのは、亜紀ちゃんではなく隣の子だった。


ほっ…。
なんとなく私は胸をなでおろす。


「これが噂のあの子だったんだ」

亜紀ちゃんは私に耳打ちをすると、ニヤニヤと楽しそうに笑った。
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