君ニ恋シテル
「はぁー…」

数秒間見つめあった末、亜紀ちゃんはため息をついた。


「…あ、亜紀ちゃん、ごめんね。私も、なんでこんな気持ちになるのかわからなくて…そのっ、だから…」

「徹平のことが大好きだから…でしょ?帰るってなったら、急に切なくなった。もしかしたら、駅に二人が来るかもしれない…とか。違う?」


亜紀ちゃんは私の気持ちを全部見抜いていた。

心を丸裸にされたみたいで、恥ずかしくなる。
亜紀ちゃんを真っ直ぐ見れない。


「もう、仕方ないなぁー。付き合ってあげる。とりあえずさ…場所変えない?ここにいても、二人が来る保証なんてないわけだし…お腹空いちゃった。何か食べに行こう」

「亜紀ちゃん…うんっ!
ありがとう!」



私達は駅を後にし、ネオン街へと飛び出す。
行き先は…あの場所。
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