君ニ恋シテル
俺、バカだよな。
こんなに愛されてるのに…。

でも、逞みたいなカッコイイ奴目の前にしたら、自信なくなっちまって…。

しかも亜紀は逞の大ファンだ。

それが今は友達という関係になって、近くなった。

逞と楽しそうに話す亜紀を見たら、どうしようもなく不安になったんだ…。

でも…逞には沙弓ちゃんっていう彼女がいるんだよな。


そんなことを考えていると…

「洋祐…さゆと小沢ちゃんのこと、好きになったりしないでね」

亜紀が急に口を開く。


驚いて亜紀を見ると、照れているのか視線を合わせてくれない。


なんだ…

俺、やっぱりバカだな…。


「なにニヤニヤしてんのよっ」

黙って亜紀を見つめていたら、亜紀は怒ったようにして頬を膨らませ俺を見た。


「ごめんっ。好きになるわけないじゃん!俺はずっと亜紀だけだよ」

「ほんとにほんと?」

「当たり前!」

俺がそう言うと、亜紀は柔らかく微笑んだ。


ヤキモチは、お互い様だったんだ…。

嬉しくて俺も自然と笑顔になる。



これからもずっと、この幸せが続きますように…。

月明かりの下、そっと願った。
< 379 / 679 >

この作品をシェア

pagetop