君ニ恋シテル
っていうか、私なんて西村陽花のライバルにすらなれないから。

前から何度も思ってるけど、女優とただの一般人だよ…張り合えるようなレベルじゃない…。


「ゆうにゃんなら絶対大丈夫よ」

大丈夫じゃないよ…!
何を根拠にそんな…絶対無理だし…。
全然自信ないもん…。


『徹平くん、絶対優奈ちゃんのこと好き…』

ふと沙弓ちゃんの言葉が頭を過る。

…っ!


もうっ…。

私はその言葉を振り払うように、頭を左右に思いっきり振った。


そんな私を、亜紀ちゃんと百合香ちゃんが不思議そうな顔で見つめる。

頭にはきっとハテナマークが浮かんでいるに違いない。


「ゆうにゃん!名付けて…告白大作戦よ!!」

は、はいぃ…!?


百合香ちゃんの大きな声が、高々と店内に響いた。

な、なんでこんなことに…。


「わ、私無理だからっ!」

抵抗するも、百合香ちゃんはもはや聞く耳を持たない。

「私に任せて」と、張り切っている。


そんな中、亜紀ちゃんだけが冷静に、まるで部外者のように、ただただ静かに成り行きを見守っていた。
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