君ニ恋シテル
すると、どこからか賑やかな声が耳に入り、そちらに目を向ける。


「きゃはは!浩ちゃんご飯大盛すぎー!」

「ほんとにそんなに食べるのー?」

「これくらい余裕ってもんよ~!」

見ると、浩ちゃんが茶碗いっぱいにご飯を盛っていた。


「うわっ、すごっ。浩ちゃん食いしん坊だねー」

亜紀ちゃんの言葉に私も同意。
ほんと凄い…。


「はあー…。なんていうか子供っぽいっていうか。バカっぽいわよね」

何か嫌な物でも見るように浩ちゃんを見る百合香ちゃん。


「ちっ!私もパンにすればよかったわ!おかわりで食べたいけどご飯盛りすぎちゃったわよ」

「浩ちゃんと同じだねー。大盛!」

「うるさいわね!あんな人と一緒にしないで!」

「あはは!小沢ちゃん何ムキになってるのー?顔真っ赤だよ!」

「なってないわよっ!」


そんな二人の言い合いを聞きながら、ふとてっちゃんのほうを見ると、また目が合った。

…っ。


「ねえ優奈ー、デザートにパフェあるね!どれ食べる?」

「へっ…」

「へっ…じゃなくてー!パフェどの味食べるって話!」

「あっ、ごめん…ちょっとぼんやりしてた」

てっちゃんと目合ってドキドキしちゃって…。


「もー。ほんといっつもぼーっとしてるんだからー。私はチョコレートパフェにするー。小沢ちゃんは?」

「そうね、私はマンゴーパフェにしようかしら」

「えっと、じゃあ私は…苺パフェにしようかな」

今のこの気持ちに似ている、甘酸っぱいデザート。昨日てっちゃんと一緒に食べた苺を選んだ。



てっちゃんと私。
きっとこれから、もっともっと近くなれるよね…。

期待と不安に揺れながら、パクリとパンを頬張った。



ーーー内容盛り沢山。ハラハラドキドキ。
色々あったけどあっという間で…最後の最後まで幸せで、二泊三日の旅行は無事終了したのだった。
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