君ニ恋シテル
「何あいつ、調子のってんじゃねーよ」
「ちょっと褒められたからって浮かれちゃって。
あんな服で来るとかバッカみたい」


え…これって私に言ってる?
あからさまにわざと聞こえるように話している…そんな気がした。

チラッと声がした方向を見ると、女の子二人組が凄い目で私を睨みつけている。

うわっ…怖い。
っていうか、この服、制服なんだけど…。

居心地悪い…。

私はその子達から離れようと背を向け歩き出した。



制服…制服?

私、なにか大事なこと忘れてるような…。




……………。




あぁ――――――っ!!
そうだ!お店!
私、抜けだして来てたんだった!

そうだよ!たからこの制服着てるんだよ!

忘れてた…。

亜紀ちゃん大丈夫かな。



まだ握手を続ける二人を私はもう一度見つめた。

名残惜しいけど…行かなきゃ。


私は駆け足でセントラルコートを抜け、ケーキ屋へと急いだ。
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