ナンパ男との恋3
「春菜、ちょっと行ってさ
輝樹の顔殴ってくれば?」
たばこに火をつけながら
真剣な顔のあかりさん・・・
そんな姿に
少し戸惑ってしまう私・・
「輝樹、女は叩かない主義のはずだから
仕返しされないと思うしさ。
付き合ってる間に
一度くらいは 叩いてみるのもいいんじゃない?」
そういえば・・・・
「昔、一度
叩いた・・・かも・・・」
「え?輝樹を!?
春菜が輝樹を叩いたの?
何で?」
「他の女の人との
その・・・キスシーンみたいなやつを
偶然見ちゃって・・・
何で あの時叩いたんだろう・・・」
「それで?どうなったの?」
「別れようと思ってたんだけど、
言いくるめられて・・・」
「え?え?春菜に叩かれて
別れなかったの?」
うなずくと、
「へぇ・・・・輝樹がねぇ・・
じゃあ、ますます
叩いてくるべきじゃない?」
「へ!?そ、そんな
無理ですよ・・・」
「何で?」
「何で・・・」
「叩いてさ、別れるって言って
輝樹の心理を探るのも
アリなんじゃない?」
「今回は・・・
何か、違う気がする・・」
「違う?何が?」
「普通の浮気とか
そんなんじゃ違うような気がして
こう・・・
私っていう存在が
輝樹からなくなりそうで・・」