それでも世界はまわる -white snow-
時計を見ると朝礼開始である八時十分の約一分前。
隣には席を占領されて戸惑っている拓也がいて、美佳はさらに焦った。

急いで席を立つ。桜の葉が床に舞い落ちた。

美緒奈は・・・いた。
ちゃっかり自分の席に戻っているではないか。

「ごめんね拓也君! 拓也君が来る前には起きるつもりだったんじゃけど・・・。
 ちょっと、ミオ! 起こしてって言ったじゃんか!」

「だってまだりおん君来てないし」

すると美緒奈は振り返り、高貴な鼻息を返した。

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