それでも世界はまわる -white snow-
(なんか・・・おかしいなぁ・・・。なんだろう、この感じ・・・)

美佳は目を細めながら、微かになびく赤ん坊の黒い髪を見つめていた。

そうしていると、すぐに校長室に着いた。

慎吾がノックしてからドアを開ける。

美佳は黙ってそれを見ていた。運命の流れに、全てを任せていたのだ。

・・・知らず知らずのうちに。

「おお、待ってたよ! 村上夫妻!」

美佳の視界が、一瞬水瀬に積もる雪のように真っ白く染まった。
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