デスペリア
チルチの日課は、遠くに行ったという両親への手紙を書くことであった。
毎日、それこそ日記のように書いては、早く帰ってきてと文を添える。
「できた!」
短いが、書いたことには違いない手紙を封筒に入れて、チルチは椅子から立ち上がる。
手紙を書いたならば出すしかない。
「ミュミュもたまにはお外でよー」
「ミュッ」
ポシェットの中にミュミュと手紙を入れて、お出かけスタイルとなったチルチは外に出る。
目指すは家近くのポストだ。