その手で溶かして

「きちんと寝ろよ。」


と言われ、遠藤君といつもの場所で別れた。



私だって眠れるものなら眠りたいのだが……


そう簡単にはいかないのだ。



「ただいま。」



「今日は早いのね。テスト前なのに何かあったの?」


エプロン姿のママが私を出迎えてくれる。



穏やかなママの表情を見ると、それだけでホッとする。



「最近、眠れなくて……だから、帰ってきた。」



「あら、本当に隈が酷いわ。夕食まで寝てなさい。起こしてあげるから。」



「わかった。ありがとう。」



ママに触れられた頬が温かい。



なんだか、今なら眠れそう。



私は自分の部屋に入るなり、ベッドに倒れこみ制服のまま目を閉じた。


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