その手で溶かして

記憶

「あの日より、少し前のことだったの。」



私はこのままの状態を続けていても、きっと以前のような生活は出来ないだろう。



ママの望む娘で居続けることは、きっとできない。



だからといって、この先どうすればいいのかわからない私は、ウミの言葉に甘え、ウミにかけてみることにした。



私を救い出してほしいという思いで口を開いた。



「あぁ。」



少し素っ気ない相槌だけど、私を見つめるウミの表情は優しい。
< 407 / 442 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop