紅い金魚
アンチノック
はじめに、僕のことを、少し話さなくてはなりません。

名前は、一輝。


パンクというものに、人生を狂わされた、一般社会から、つまはじきにされた、どうしようもない人種であることに、間違いはありません。

まあ、僕から言わせれば、全うに順風満帆に生きてる人種の方が、つまらない人生だと思うのですが。


学歴社会、公務員、営業マン、銀行員、政治家・・・。四角いコンクリートの中で、操り人形のように働き、居心地の悪い、自分の居場所。


ああ、なんという寂しさよ。


まあ、社会に適応できない者の、負け惜しみにしか、聞こえませんが。




パンクに人生を狂わされたので、バンド活動を主体に考えてはいますが、もちろん、バンド活動だけで、ご飯を食べられるわけがありませんから、昼間は、吉祥寺にある、工務店で測量の仕事をしています。


僕がこの、工務店に決めた理由も、「染髪可」であったからで、仕事自体にはさほど、興味はなく、日々、黙々と与えられた仕事をこなし、夜になれば、吉祥寺のスタジオに入って、憂さ晴らし。

週末になれば、自己浄化のために、ライブでギターをかき鳴らします。

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