[完]愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々〜
「た、太郎さんっ? 
落ち着いて下さい」



「これが落ち着いてられっかよ!

嬉しいんだ、そんくらい!」



「太郎さん――…」



あんずがオレに抱きすくめ
られたまま、少しだけ鼻に
かかった声を出す。



ドキッとした。



あんず……もしかして、
泣いてる?



「えっ、な、なんでっ!?」



とたんに焦ってガバッと
離れると、あんずは目尻を
指先で拭いながら、



「ご、ごめんなさい。

なんか感動しちゃって。

だって……こんなふうに
言ってもらえるなんて、
なんか夢みたいだから……」


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