[完]愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々〜
ワンワン声をあげて、子供
みたいに泣きじゃくるあんず。



「鈍臭くなんかないよ。

たまたま運が悪かった
だけだよ……」



お前はよく頑張ったよ、あんず。


何度も怖じけづきそうに
なりながらも、最後は必死で、
風見に向かって手を伸ばし
たんだからさ。



「よしよし。……あんずは
いい子だよ。

次は絶対うまくいくから、
諦めるな」



――何言ってんだろオレ。



ホントはあんずがうまく
いったら、オレの方が困るのに。



けどなんか――こんな
あんず見たら、今はとても
そんなこと、考えてらんねーや。


_
< 74 / 257 >

この作品をシェア

pagetop